近畿臨床産業医学フォーラム

「近畿臨床産業医学フォーラム」閉会のお知らせ

研究会世話人代表:廣部 一彦

閉会日:2016年3月31日

経過報告
わが国では近年の食生活の欧米化や運動不足等により動脈硬化性疾患が増加し、また1989 年をピークとするバブル期に、長時間労働や過重労働などにより脳・心疾患等による過労死や労災認定者が増えました。そして法の改正により、一般健康診断に血清脂質、心電図、血糖、腹囲などが順次追加されました。また、金融危機の1990 年代後半には自殺者が3 万人を超え、2000 年以降の市場経済主義の導入なども相まって、職域におけるメンタルヘルス不調者が急増しました。職域での脳・心疾患対策とメンタルヘルス対策が、過労死予防の観点からも重要なテーマとなり、産業保健スタッフの臨床面でのリテラシーの向上、保健指導能力の向上が求められる時代になりました。
そこで下記の5 名を世話人として、また予防医学に理解を示して頂いた製薬会社2 社(萬有製薬(現MSD)、グラクソ・スミスクライン)との共催という形式で、地方会総会での了承を得て研究会を立ち上げました。2005年6 月29 日に第1 回を開催し、11 年を経過して2016年2 月3 日に第18 回の研究会を開催しました。この間、毎回約100 名の参加者があり、臨床医や産業医・看護職のご講演やパネルディスカッションにより、多くの臨床医学や予防医学の知識に触れることができました。
しかし現在では多くの学会や研究会にて産業保健現場で必要な臨床医学的な知識を得る機会も格段に増えており、我々の研究会の役割も終えたのではないかという結論に至りました。そして昨年度末をもって本研究会を閉じることとなりました。長年支えていただきました学会員の皆様に心より御礼申し上げます。

以上世話人を代表して閉会の報告をさせていただきます。

  • 岡田 章先生
  • 岡田 邦夫先生
  • 武田 和夫先生
  • 浦野 澄郎先生(2013 年より藤岡 滋典先生に交代)
  • 廣部 一彦
開催日テーマ
第18回平成28年2月3日(水)職域メンタルヘルスと睡眠障害 Up to Date
第17回平成27年2月4日(水)職域における糖尿病の管理
第16回平成26年9月3日(水)職場におけるCOPDの予防と喫煙対策
第15回平成26年2月12日(水)職域における高血圧対策
第14回平成25年9月4日(水)熱帯・亜熱帯地域への渡航者と感染症
第13回平成25年3月22日職域で見過ごされてきたHIV感染症対策を考える