活動報告『私達の職場』

株式会社ハピネス・アイ

(2022年10月21日掲載)

産業保健サービス課 保健師 藤吉奈央子

【会社沿革】
(株)ハピネス・アイは、1985年に発足し、現在、エムスリー(株)のグループ企業として事業を行っています。創業時は、巡回健診業務・保健指導業務からスタートし、翌年よりEAPサービスの提供も開始し、トータルヘルスサービスを30余年にわたって展開しています。
本社は京都市の烏丸通六角にあり、“誰もがいきいきと生きることのできる社会の実現する”という事をミッションにしています。
 社員数は約70名。そのうち、専門職は公認心理師・臨床心理士・保健師・管理栄養士等がおり、健康診断後のアフターフォローからメンタルヘルス対策まで、さまざまな専門職がチームとなって一括サポートを目指しています。また、私たち自身もそれぞれの専門性を活かし、連携を取りながら、ミッションの実現に向けて活動しており、アドバイザーには、長見まき子先生(関西福祉科学大学 教授、EAP研究所 所長)や島津明人先生(慶應義塾大学 教授)もいらっしゃいます。

【活動について】
 産業保健サービス課はJR東淀川駅から歩いて3分くらいの大阪事業所にあります。専属の医師1名、保健師が4名、管理栄養士が1名、非常勤の保健師(筆者)とスタッフ2名で日々切磋琢磨しながら活動しています。
主な業務内容は、産業医の選任、健診事後措置、特定保健指導、健康教育など言葉にするとあっさりしていますが、提供させて頂くニーズは様々で企業様の組織風土・大事にしている事・社員さんの熱量などによって一つとして同じものはなく、バリエーションは多岐にわたります。
初めて“産業保健”という言葉を聞くと言われる企業様や、産業保健の構築というよりも“困りごと”にピンポイントに対応してほしいというお問い合わせもあり、想像力をフル稼働しながら背景にある課題解決に向けたサービスとして何ができるか…求められるレベルは様々です。
私達としては、まず労働安全衛生法に関する法令遵守に沿った基本的な産業保健サービスの展開から組織の健康に貢献したいという思いのもと、昨今は産業医を選任していない事業所や、産業保健スタッフが確保されていない事業所に対し、ICTを活用したオンライン上の「社外健康管理室」をサービスの一つとしてご提供しています。

企業様に直接雇用されていなくても、関係性を構築しながら専門性として期待されている事、どのようなサービスの提供がマッチするのか、最終的に企業様の健康度のアップに貢献できるのか試行錯誤しながら進めています。

【活動を通じて思う事】
筆者自身、当社で複数の企業様の産業保健の底上げを目指して活動していますが、企業の中で産業保健を求められてする活動とは少し入り方が違う事もあります。そのような場合、自分たちの持つ専門性という引き出しのどの部分から、どうお渡しするのか…など、難しい判断が求められていると感じる事もあります。しかし、“試されている”(勝手に感じている事ですが…)という感覚もあり、専門職の醍醐味も味わえます。
このように考えると、企業専属の産業保健スタッフとして産業保健を展開する活動はもちろん魅力的ですが、当社のような労働衛生機関で複数の企業様に多角的に関与できる仕事もまた、なかなか魅力的です。
また、専門職としては一人職場の多い業界だと思いますが、当社では保健師間はもちろん、多様な専門職と意見交換しながら、活動の振り返りが日常的にできます。このような振り返りは自分達の活動をスパイラルアップさせるために効果的で、専門性を磨くシナジー効果は想像以上です。

【最後に】
近年の健康経営やデジタル・トランスフォーメーションの流れもあって、当業界も大きく変わろうとしていますが、ITの活用のみならず、長年にわたる経験と実績、医療機関とのネットワーク、専門職のノウハウ等、当社のリソースを柔軟に組み合わせ、産業保健サービス課では産業保健活動の展開をより広く効果的に進めていきたいと思います。
学会でも色々と新しい事や、重要な事を学ばせて頂きながら、自分たちの活動に反映させ、一人でも多くの働く人の幸福に寄与したいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

産業保健スタッフ
産業医