学会長挨拶

 近畿産業衛生学会は日本産業衛生学会近畿地方会が主催し、1963年の第1回から数えて60年近く続いている歴史ある年 次学術集会です。この度、第61回の学会長の大役を仰せつかり、身の引き締まる思いです。

 さて、第61回は令和3年10月23日(土)に北摂に位置するパナソニック健康保険組合の保養施設であるパナソニックリゾート大阪で開催する予定でしたが、新型コロナウィルス感染状況を鑑み、残念ながら、オンライン開催となりました。

 プログラムについては、一部変更となり、教育講演、基調講演、メインシンポジウムをオンラインで開催し、一般演題については、オンデマンド配信等開催方法を現在検討中です。詳細が決まりましたら、ホームページ等でお知らせします。

 今回のテーマですが、「大変革期の産業保健~withコロナ時代の将来展望~」とさせて頂きました。

 産業保健においては、時代の変遷により、ターゲットとすべき健康障害要因が大きく変化し、例えば職業性疾患対策から、昨今の生活習慣病やメンタルヘルス対策へと変わっていったことは、ご周知のことと思います。一昨年末からの新型コロナ感染症の拡大をきっかけに、在宅勤務などの働き方改革が浸透しつつあります。集団での対面活動はもはや実施しにくくなり、産業保健活動の在り方や仕組み自体も根底から改変される可能性も出てきております。しかし、どのように変化しても、産業保健の「原点」とも言えるコアコンピタンスは変わらない考えています。つまり、取り巻く状況が変化しても「労働と健康を調和するように支援すること」が重要と考えています。既にさまざまな切り口で新型コロナ禍における産業保健の課題や対策が模索されていますが、将来展望も交え広く議論したいと考えておりますので、ご参集各位が未来志向で討論を繰り広げられることを期待しております。多数の皆様のご参加を祈願しております。

2021年8月吉日

第61回近畿産業衛生学会
学会長  伊 藤 正 人
(パナソニック健康保険組合健康管理センター)