平成27年度 第2回定例研修会 報告
  • 日 時:2016年1月30日(土) 午後1時30分~4時15分
  • 会 場:薬業年金会館 6F
  • 形 式:講義
  • テーマ:高齢者介護に 今 直面している従業員をあなたはどうサポートしますか?~今、産業看護職にできること~
  • 講 師:長尾 和宏先生
    兵庫県尼崎市で開業。年中無休の外来診療と365 日24 時間体制での在宅医療に従事。
    日本尊厳死協会副理事長、全国在宅療養支援診療所連絡会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本内科学会認定医、労働衛生コンサルタント
  • 参加者:70名
「高齢者介護に 今 直面している従業員をあなたはどうサポートしますか?~今、産業看護職にできること~」に参加して

大阪府人事局企画厚生課
西村 ちひろ

日頃の業務の中で、家族の介護について深刻な問題を訴えたり、仕事と介護の両立に悩んだりする職員と関わることが増えています。介護の現場を充分に把握しないまま相談を受けることに問題を感じていた中、今回の研修を受けることができました。

講師の長尾和宏先生には、①高齢者介護の現状、②介護者は何が大変か、③介護者はどこに相談すればいいか、④介護保険制度の現状と今後、⑤地域包括ケアシステムとは、について動画を交えてわかりやすくお話しいただきました。

在宅介護の現状は、老々介護、認認介護(認知症が認知症を介護)であること、介護施設はほとんどが満員で高価なため、改造した民家で雑魚寝状態の安価なお泊りデイが増えていること、介護スタッフには素人も多く介護事故が起こりうること、などが紹介されました。

介護者については、24時間365日過酷であり、終わりのない慢性疲労が不眠やうつ、介護殺人の原因になっていること、介護者を支える在宅医療スタッフも過重な労働を強いられていること、などが実例を交えて解説されました。相談窓口である地域包括支援センターについても、スタッフが多忙という実態から「何とかしてくれる所」ではなく「介護の基礎知識を教えてくれる所」として相談すること、と具体的な指摘がありました。介護現場の厳しさを改めて知るとともに、実際の相談や介護の方法について考えさせられました。

最後に今後の展望として、介護保険は医療保険との連携が重要であり、少産多死時代を乗り切るには、中学校区の地域をひとつの病院と考える「地域包括ケアシステム」が必要である、と提言されました。

講演冒頭から「本音で語ります」とお話しいただき、介護の具体的、実際的な現状を学ぶことができました。自分の知識不足を実感する機会にもなり、先生の執筆本を一度拝読したいと考えています。学んだことを職員からの相談に活用できるよう、今後も自己研鑚に努めたいと思います。